NPO法人 くにたち富士見台人間環境キーステーション(略称 KF)とは
国立市富士見台地域の人々のつながりをつくり、まちを元気にするべく、商店主や学生・市民・行政が一体となって活動しているNPO法人です。
KF(略称)は商店街を地域コミュニティの拠点と考え、商店街の空き店舗を利用して、コミュニティカフェ、地元野菜と地域物産の店、多目的ホール、雑貨屋、シェア工房を運営し、フリーペーパー「やっほー」の発行や「やほレンジャー」の活動、その他商店街との連携事業などを行っています。
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学生が店舗や活動をご案内します。お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
KFの成り立ちと歩み
国立市富士見台・谷保駅北口周辺は、かつては大変にぎわいのある地域でした。
1965(昭和40)年、日本住宅公団(現UR都市機構)によって、約2300世帯という大規模な富士見台団地がつくられ、若い家族連れが入居し、子どもたちの声が町にあふれていました。
やがてその子どもたちが巣立つと団地住民の高齢化が進み、富士見台地区は国立市内で最も高齢化率が高い地域となりました。
周辺の商店街は勢いを失い、次第に空き店舗が目立つようになって商店街衰退への危機感が非常に強くなりました。
しかし一方で、富士見台地区の住民は高齢者といっても多くの人が生きがいを大切にし、社会参加や生涯学習への意欲が高いと思われました。
また、文教地区を有する国立市には教育・文化に関連のあるリソース(資源)が多く存在する(一橋大学、東京女子体育大学、NHK学園、桐朋学園中・高等学校、国立音楽大学附属小・中・高等学校、YMCA、エコール辻東京、滝乃川学園、東京都立障がい者スポーツセンター)という特徴がありました。
<2001年>
国立市産業振興課の声かけで、地元の一橋大学というリソースを活かし、商店会(谷保駅北口商店会、ダイヤ街、むっさ21)、商工会、国立市民が参加して富士見台1丁目(JR南武線谷保駅北口地区)の商店街の活性化を考えるという、月1回の「国立プロジェクト研究会」がはじまりました。
<2002年>
春、研究会に参加した教授と学生を中心として「人間環境キーステーション構想」が立ち上がりました。
それをもとに、一橋大学では学生の地域活動に単位を与えようと、全学共通教育科目「まちづくり」がスタートしました。
授業では国立市の緑化、自転車問題、コミュニティビジネス等といった課題ごとに学生が班を作り、まちに出て課題解決に取り組みました。
一方、「国立プロジェクト研究会」では、「まちづくり」授業を履修している学生の提案と商店主との議論をもとに、むっさ21内にある3つの空き店舗を利用してコミュニティカフェやカルチャー教室を開くことが決定しました。
<2003年>
それらの店舗の運営は学生が主体となることが決まり、1月に学生サークルとして「Pro-K(プロック)」が設立されました。
そして3月、「商業と文化を『教育と思いやり』というコンセプトでつなぎ、地域に新たな人のつながりを創り出すこと」を目的に掲げ、任意団体として「くにたち富士見台人間環境キーステーション(略称:KF)」が誕生しました。
<2003年8月~>
2003年 | 8月 | コミュニティカフェ「Cafeここたの」オープン |
「プレまちかど教室」開催 | ||
2004年 | 2月 | 多目的ホール「KFまちかどホール」オープン |
7月 | 一橋大学「まちづくり」授業が文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム(GP)」に選定 | |
11月 | 「まちかど教室」第1回スタート | |
Pro-K、一橋大学「学長表彰」受賞 | ||
2005年 | 11月 | 地産地消の店「とれたの」実験営業開始 |
12月 | 第1回「東京都商店街グランプリ活性化事業部門」優秀賞受賞 | |
2006年 | 2月 | KF、NPO法人格を取得、登記完了 |
2007年 | 1月 | 「とれたの」リニューアルオープン |
「ここたのナイト」スタート | ||
2008年 | オリジナル商品「ほうれん草うどん」販売開始 | |
2010年 | 4月 | 商店街のクーポン付き情報誌「やっほー」発行開始 |
「やほレンジャー」誕生 | ||
2012年 | 1月 | 書籍『学生まちづくらーの奇跡』発売 |
4月 | 雑貨屋「ゆーから」オープン | |
2013年 | 9月 | KF10周年記念イベント「くにたちビアガーデン」開催 |
2017年 | 12月 | シェア工房「クミタテ」オープン |
<KFのつながりと今>
KFの活動には地域内外のさまざまな人が関わっています。
準備段階では、長野県朝日村から店舗の内装を飾るカラマツ材の無償提供を受け、内装工事は一人の商店主が無償で設計施工を担当しました。
また、地域情報誌『どんなくにたち』や農作物の地産地消を考えるNPO法人「地域自給くにたち」の協力もありました。さらに武蔵野美術大学の学生もデザインに参加しました。
その後も地域のアーティストやクリエイター、農家の方など、多様な背景をもつ人々との連携が実り、それらのネットワークを活かしてきました。
最初の研究会から10年以上を経た今、KFは世代や職種を超えたさまざまな立場の人が協働する場となり、また、現場教育の場、人や情報のネットワークを創造する場ともなっています。
現在、富士見台の商店街には新たな回遊性と若い客層の増加が見られ、季節ごとの楽しいイベントもいくつも開かれています。そこかしこに学生たちと地域の人たちとの対話が聞こえる日常も当たり前となりました。
商業と農業、伝統文化と新しい文化、地域貢献とコミュニティビジネスを融合させながら、これからもKFのチャレンジは続いていきます。
事業と組織概要
KFの主な事業は、コミュニティカフェ「Cafeここたの」、地元野菜と地域物産の店「とれたの」、多様な講師が授業を行う「まちかど教室」、コンサートやイベントにも使える貸しホール「KFまちかどホール」、手作り&リサイクル雑貨の店「ゆーから」、商店街との連携事業を行う「商店街協同」、ものづくりシェア工房「クミタテ」です。
各事業の運営は商店主・市民・学生によって組織された各委員会が担い、毎月の定例会や理事会において熱い議論を重ねながらプロジェクトを進めています。
